ケリーバッグの登録性
種類 | 審判番号 | 条文 | 結論 | 商標 | 商品区分 | 審決日 | キーワード |
---|---|---|---|---|---|---|---|
不服 | 2010-19401 | 3-1-3 | 登録 | ケリーバッグ(立体) | 18 | 2011/5/31 | 3条2項_立体商標 |
【当審の判断(抜粋)】
本願商標に係るハンドバッグは、請求人の代表的なハンドバッグのブランドとして、我が国においても、1983年から現在に至るまで28年以上にわたって販売され、ファッション雑誌や新聞等に多数掲載されてきたことに照らすと、本願商標の立体的形状は、独立して自他商品識別力を獲得するに至っており、ハンドバッグの取引者、需要者がこれをみれば、請求人の販売に係るハンドバッグであることを識別することができるといって差し支えないものである。
加えて、本願商標の立体形状に類似する他社商品においては、「ケリー」が極めて高い人気及び著名性を有していることから、これを模倣した類似商品が製造されている実情がうかがえるところである(31号証、32号証及び第34号証)。
そして、模倣した類似商品は、例えば、「ケリー風」「ケリータイプ」などとして販売されており、このことからしても、本願商標の立体形状は著名性を有しており、請求人の出所標識として、独立して自他商品の識別力を獲得するに至っていることが理解できるものである。
ハングル文字
種類 | 審判番号 | 条文 | 結論 | 商標 | 商品区分 | 審決日 | キーワード |
---|---|---|---|---|---|---|---|
異議 | 2010-900298 | 4-1-19 | 維持 | 少女時代 | 18 | 2011/4/28 | 著名性 |
【当審の判断(抜粋)】
女性歌手グループ「少女時代」は、韓国において別掲1のハングル文字によって表記されており、少なくとも同国においては、別掲1のハングル文字による表記をもって相当程度知られていたということができるとしても、「少女時代」の表記をもって、かかるグループが所属するエスエム社又は申立人の業務に係る芸能人のあっせん、音楽の演奏の興行の企画又は運営などの役務を表示するものとして韓国を含む外国における需要者の間に広く認識されているものとはいえない。
う…ん。韓流ブームの落とし穴?
特殊言語圏の事業主は海外展開に考慮すべき問題かも。
SOFT MARTINI (43類)はただのり目的?
4-1-19の判断
種類 | 審判番号 | 条文 | 結論 | 商標 | 商品区分 | 審決日 | キーワード |
---|---|---|---|---|---|---|---|
不服 | 2007-26109 | [4-1-11][4-1-19] | 登録 | Nikki Beach | 14+ | 2008/5/26 | 外国周知 |
指定商品(役務):
宿泊施設の提供,飲食物の提供ほか
当審の判断(抜粋)
原審における引用商標所有者提出の刊行物等提出書を斟酌し、職権をもって調査するも、これが本願出願時に、クラブ・レストランとして米国等において周知であったとするに十分な客観的・具体的証拠(例えは見当たらず、引用商標が我が国で登録されていないことを奇貨として、先取り的に出願したもの、あるいは、外国の権利者の国内参入を阻止したり、代理店契約締結を強制する目的で出願したものであるといような不正な意図を窺わせるような状況もない。そうとすると、本願商標について、その登録出願時・査定時及び審決時において、我が国はもとより外国における引用商標の周知性を確認することができないばかりでなく、不正の目的をもって使用をするものということもできない。
本件は、(1)他人の著名商標にただ乗りする意図があるので19号に該当する、(2)同日出願の他人の出願があるので8条2項に該当する、と判断されたケース。(1)の引用商標と(2)の引用商標の所有者は別人格。審査官が19号該当か否かを精査するのは難しいのかも。
「えびせん・ポテチ」の製造業者と「被服」の製造業者間では出所混同が生じる虞なし
異議2006-90472 条文:4-1-15、4-1-19 維持審決 2007/04/23審決日
登録異議申立人の周知・著名商標と類似する本願商標は、申立人との間において出所混同が生じるとの主張を退けた事例
当審の判断(抜粋)
本件商標の指定商品「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服」と申立人の業務に係る商品「えびせん、ポテトチップス」等のスナック菓子、シリアル食品及び加工食品とは、その生産部門、販売部門、品質及び用途等を異にするものといわざるを得ず、商標「Calbee」及び「カルビー」が本件商標の登録出願時には申立人の業務に係る商品「えびせん、ポテトチップス」等のスナック菓子、シリアル食品及び加工食品の商標として取引者、需要者の間に広く認識されていたものと認められるとしても、本件商標をその指定商品に使用した場合、申立人又は申立人と関係のある者の業務に係るものであるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれのない。
むむっ。コンシューマー向け商品である点で、「ポテチ」も「被服」も共通するし、申立人商標が「ポテチ」分野で著名であるとは認定するも、混同の生ずる範囲には非該当。取消理由通知なし。
「アブトロニック」は誰のもの?
異議2006-090407 条文:4-1-7,4-1-10,4-1-19ほか 2007/3/1異議決定日
(筋力トレーニング用機械器具ほか)
要するに、異議申立人は「本商標は自己に帰属するべきものであって、権利者のものとして登録されるべきではない」と主張。が、異議申立人の主張は認められず、維持決定されたもの。
申立人の主張 | 条文 | 当審の判断 |
---|---|---|
権利者は申立人の代理人であったにもかかわらず、無断で出願・登録を得たものであって、申立人の信頼を裏切るものである。 | 4-1-7 | 出願の経緯において著しく社会的妥当性を欠くとすべき事情を推認させる証拠なし |
本件商標は申立人の使用によって世界各国の需要者の間に広く認識されているものである | 4-1-10 | 申立人の提出資料より、申立人がその使用を主張する商標が、本件商標の出願時に我が国の需要者の間において広く認識されるに至っていたと認めることはできない |
本件商標は、申立人の業務に係る商品と混同を生ずるおそれがある商標である | 4-1-15 | 申立人の主張に係る商標について、その周知性を認め得ないことからすれば、本件商標をその指定商品について使用したとしても、これに接する需要者をして申立人の主張に係る商標を想起し連想して、当該商品を申立人あるいは同人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものと誤信し、商品の出所について混同するおそれがあるものということはできない |
申立人の業務に係る商品を表示するものとして日本国内又は海外における需要者の間に広く認識されている商標と類似であって、不正の目的、すなわち申立人の使用を妨げる目的をもって使用をするものである | 4-1-19 | "需要者の間に広く認識されていた商標ということができないから、当該条項の他の要件に論及するまでもなく、商標法第4条第1項第10号及び同第19号に該当しない。 |
今や、夜中の通販番組はビリーの「ブートキャンプ」でもちきりだが、この商品も一時期ブームだった。なお審判経過を参照すると「取消理由」は出されていない。
「即席みそ汁」と「うどんめん」は類似しない
異議2006-90341 条文:4-1-19 維持決定 2007/02/27審決日
本件商標は、引用商標と外観、称呼及び観念上非類似の商標であり、加えて、本件商標の指定商品「即席みそ汁」と、引用商標が使用される「即席うどんのめん」当とは、その事業者、役務の提供場所と商品の販売場所等を異にするものである。
してみると、商標権者が本件商標をその指定商品に使用しても、申立人の引用商標を連想・想起し、その商品の出所について混同を生ずるおそれがあるものとは認められない。
また、本件商標と引用商標が非類似の商標であること前記のとおりであるから、商標権者が本件商標を採択使用する行為について、申立人の信用・名声にただ乗りするなど不正の目的があったものということはできない。
異議申立はなされたものの、取消理由通知が出された形跡はない。