楽曲タイトルの登録性
種類 | 審判番号 | 条文 | 結論 | 商標 | 商品区分 | 審決日 | キーワード |
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不服 | 2009-6939 | 4-1-7 | 拒絶 | 世界に一つだけの花 | 30 | 2010/3/15 | 公序良俗 |
当審の判断(抜粋)
需要者間に広く知られ周知・著名となっている引用楽曲のタイトル及び歌詞中のフレーズに本願商標と同一と認められる「世界に一つだけの花」の文字を、その作詞家、作曲家、実演者及び関係者と何ら関係のない請求人が、その指定商品について登録、使用することは、本願商標の登録出願前よりその周知著名性が継続している引用楽曲のもつ顧客吸引力に便乗し、本願商標を採択したといわざるを得ないから、社会の一般的道徳観念に反するものであって、社会的妥当性を欠き、公正であるべき商取引の秩序を乱すおそれがあるものといわなければならない
「ヘレン・ケラー」の文字はだめ?
種類 | 審判番号 | 条文 | 結論 | 商標 | 商品区分 | 審決日 | キーワード |
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不服 | 2008-15081 | 4-1-7 | 登録 | 日本のヘレン・ケラーを支援する会 | 36 | 2010/2/23 | 歴史上の人物 |
当審の判断(抜粋)
障害者福祉の世界における「ヘレン・ケラー」という名前の用いられ方、請求人のこれまでの盲ろう者支援事業活動内容や、「〜日本のヘレン・ケラーを支援する会〜」の採択経緯などに照らすならば、「日本のヘレン・ケラーを支援する会」の文字よりなる本願商標の構成中に、「ヘレン・ケラー」の文字を含んでいるとしても、本願商標をその指定役務に使用することが、社会公共の利益に反し、社会の一般的道徳観念に反するものとはいい難く、また、他の法律によってその使用が禁止されているものとすべき事実も認められない。
歴史上の人物=公序良俗違反の公式を何もかもに当てはめるっていうのはどうか…。
「人財大学」は公序良俗違反?
種類 | 審判番号 | 条文 | 結論 | 商標 | 商品区分 | 審決日 | キーワード |
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不服 | 2009-3220 | 4-1-7 | 拒絶 | 人財大学 | 41 | 2010/2/1 | 大学 |
当審の判断(抜粋)
"本願商標が、あたかも学校教育法に基づいて設置された「大学」という教育施設の名称を表示したものであって、かつそれらの役務がそのような教育施設によって提供されるかの如く一般世人をして誤信せしめるおそれがあるばかりでなく、学校教育制度に対する社会的信頼を失わせ、ひいては公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがあるものといわざるを得ない。"
「大学教育」に関連する役務を含まなくとも、駄目。
ライセンス料強要目的出願は公序良俗違反
種類 | 審判番号 | 条文 | 結論 | 商標 | 商品区分 | 審決日 | キーワード |
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無効 | 2009-890071 | 4-1-7 | 無効 | 知足のつくばい | 33 | 2009/12/27 | 公序良俗 |
当審の判断(抜粋)
"龍安寺の「知足のつくばい」の平面に表された図案化された「吾唯足知」は龍安寺に帰属する独自のものと優に推認できる。商標法第4条第1項第7号は、商標自体の性質に着目した規定となっていること、商標法の目的に反すると考えられる商標の登録については同法第4条第1項各号に個別に不登録事由が定められていること、商標法においては、商標選択の自由を前提として最先の出願人に登録を認める先願主義の原則が採用されていることを考慮するならば、商標自体に公序良俗違反のない商標が商標法第4条第1項第7号に該当するのは、その登録出願の経緯に著しく社会的相当性を欠くものがあり、登録を認めることが商標法の予定する秩序に反するものとして到底容認し得ないような場合に限られるものというべきである(平成17年(行ケ)第10323号ほか)。ライセンス料の支払い等を強要し、又は、本件商標の商標権を高額で買い取らせるといった、不当な利益を得る目的を有していたものと推認できるのであるから、このような被請求人の行為に基づく本件商標の登録出願の経緯は、商標法第4条第1項第7号に規定する「公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標」に該当するというべきである。"
「被請求人は、日本酒関連に166も登録商標を所有。このことは、同分野の業界における商標の事情や変動等については、詳細に調査していたことを窺う。よって『知らなかった』は通じない。」とある。「あなたのやってることなんて、くるっとまるっとお見通しだぁ」って感じ。
郵便事業より古くから使用されていた商標
種類 | 審判番号 | 条文 | 結論 | 商標 | 商品区分 | 審決日 | キーワード |
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不服 | 2007-33414 | 4-1-7 | 登録 | 郵便局のマーク | 6 | 2010/1/29 | 図形 |
当審の判断(抜粋)
本願商標は、請求人の旧名称の一部である「久保田」の「久」の文字に由来し採択された標章であり、請求人は、郵便局記号の使用開始以前より本願商標の原型となった使用標章を使用していたこと、また、水道管に使用する鋳鉄管分野における本願商標を使用した請求人商品のシェアは、概ね60%〜70%を占める状況(1975年以降2004年)であったこと、さらに、請求人は、本願商標と同一の構成からなる件外登録商標を過去に2件有していたこと、加えて、前記(4)のとおり、本願商標と郵便局記号は、十分区別し得るものであること等を総合勘案すれば、請求人が本願商標をその指定商品について使用したとしても、それが社会公共の利益に反し、又は社会の一般的道徳観念に反するものとはいうことはできない
BUTA∞BUTAはPUMAの真似っこ?
種類 | 審判番号 | 条文 | 結論 | 商標 | 商品区分 | 審決日 | キーワード |
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不服 | 2008-010902 | 4-1-7 | 登録しない | BUTA∞BUTA | 25 | 2009/9/28 | 公序良俗 |
当審の判断(抜粋)
本願商標は、プーマ社が、永年スポーツシューズ等に使用し取引者、需要者の間に広く知られている商標と承知の上で、当該他人の承諾もなく、引用商標に化体した信用・名声及び顧客吸引力に便乗し、不当な利益を得る等の目的のもとに、請求人(出願人)が引用商標の有する特徴を模倣して出願し、登録を受けようとしたものといわざるを得ず、かかる行為によって、引用商標自体に化体した信用・名声及び顧客吸引力を希釈化させ、あるいは損なうおそれがあるものといわなければならない
引用商標のモチーフの一つとなっている「ピューマ」の図形部分を「豚とおぼしき動物」に置き換え、欧文字部分も、あえて引用商標の「PMA」と同じ4文字からなる「BUTA」とし、引用商標の書体とほぼ同様に酷似させて表したものと判断。