メジャーリーグが有名でもすべてのチームが日本で著名なわけではない。

異議2006-09663 条文:4-1-11,4-1-15 維持審決 2007/06/19審決日

異議申立人は本件商標が「ワシントンナショナルズ」球団の著名なロゴマーク(引用商標)と類似すると主張したが、外観非類似かつ引用商標の著名性は否定、よって登録維持とされた事例。

当審の判断(抜粋)
両商標はいずれもローマ字「W」を基に図案化したものと推認されるものの、本件商標は、黒塗りで全体をやや右方に傾けて描かれ、右側の湾曲線が左側のそれよりも長く、左右の湾曲線は、それぞれの尖端が同じ切り口であって、その間隔が徐々に狭まりあたかも上方に収斂するかのように表されているのに対し、引用商標は、籠字風に輪郭線で全体をやや左方に傾けて描かれ、左右の湾曲線はほぼ同じ長さで、しかも左側には筆記体「W」の書き出しと思しき部分が付けられている点において両者は相違する。そして、これらの相違点により、両商標は、全体から受ける印象が著しく異なるものであって、それぞれを時と処を異にして観察した場合、外観上相紛れることなく別異のものとして認識し把握されるというべきである。

提出された証拠は、米国メージャーリーグベースボールの試合が日本でも放送されていることを示す番組表や、日本人選手について報道する新聞記事などが殆どであり、個別の球団に関するものも若干見られるものの、「シカゴ・カブス」(Chicago Cubs)についての記述が大半であって、「ワシントンナショナルズ」に関するものは同球団の英文によるホームページ及びフリー百科事典「ウィキペディア」のみである。申立人の提出に係る証拠によっては、引用商標が、我が国において、申立人の業務に係る商品を表示するものとして取引者、需要者間に広く認識されているものとは到底認めることはできない。

外観非類似…。