「本生」(発泡酒)の使用による識別力否定される。

不服2003-19635 条文:3-1-3,4-1-16 拒絶審決 


32類:ビール風味の麦芽発泡酒(出典:商標公報,審決公報)

ニュースリリースでは「本生」は「アサヒビール株式会社」「アサヒビール」又は「アサヒ」等の文字とともに使用されている。また、カタログ等では「本生」の文字は、「Asahi」の文字が大きく併記して使用されている。つまり、請求人(出願人)の取り扱いに係る商品(ビール風味の麦芽発泡酒)は、「Asahi(アサヒ)の本生」として知られているとまではいい得るとしても、使用の結果、「本生」の文字のみにより、当該商品が何人かの業務に係るものであることを認識できるほど、取引者・需要者間に広く知られるに至ったものとまでは認めることができない。

識別性を有する他の文字を伴った使用例からでは本当に、概文字が識別性を有するに至ったのか判断できかねるということだ。

閑話休題
そもそもこの書体が「普通に書してなる」か否か?
審判では「本願商標の程度の書体は、一般的な文字飾りとして使用されているものであり普通に用いられる方法の域を脱したものとは認められない」と明言されている。

立体商標と3条2項

不服2002-024736 拒絶審決 2006/08/21審決日
(商標公報より)

審決
本件商品が本願商標の登録出願前より相当数製造販売され、また、多くの雑誌及び新聞にその紹介記事が掲載されたことは認められる。(中略)しかしながら本願商標に係る立体形状のみからなる商品が製造販売され、あるいは頒布されたことが認められる証拠はない。(中略)したがって、本願商標は、その立体形状のみが独立して既に著名となっているとはいえないものであるし、その立体形状のみの使用により自他商品の識別機能を有するに至ったものともいえない。

要するに使用証拠には文字商標のついた本件商品のみだったということ。ホントに立体商標についての判断だけは一貫してる。