販促品への商標使用と不使用取消審判

取消2005-30627 条文:50条 取消成立 2006/06/15審決日

販促品への商標を使用しても、商標として自他商品の識別機能は果たされてず、使用とならないと判断された事例。

当審の判断(抜粋)
被請求人は、大日本トランプを通じて本件商標と社会通念上同一の商標を付した本件商品を作成し、本件商品を直接若しくは放送局等を通じて、放送局等が行う被請求人の放送番組を内容とするクイズの賞品や、テレビ番組の紹介を内容とする雑誌の放送番組の紹介も兼ねた読者プレゼントの賞品として使用。
 本件商品は、被請求人に係る放送番組の視聴者増などのための宣伝材料として使用されるものであり、これに接する需要者(放送局等及び視聴者など)は、本件商品に付された使用商標を被請求人が行う放送の宣伝広告のために付されたものであると理解し、使用商標は、本件審判請求に係る遊戯用カード(トランプ)の商標として、自他商品の識別標識としての機能を果たしているものとはいうことができない。

判断のベースは以下の判例
商標は、主たる機能として商品、役務の出所を表示し、自他商品、役務を識別させる機能を有しており、商品、役務の品質を需要者、取引者のために保証する機能及び宣伝広告機能を有する。ここにいう商品、役務とは、必ずしも有償である必要はないが、一般に、販促品に付された企業名は、専らその販促品とは別の当該企業が扱う商品、役務の宣伝広告のために付されるものであって、販促品を登録商標の指定商品とする限りについてみれば、これに接する取引者、需要者に対して、商標が一般に有する自他商品(役務)識別機能を有するものではなく、もとより、販促品の品質を保証し、その宣伝広告をするために付されるものではない(東京高裁平成13年2月27日 平12行(ケ)335号)。