「凝灰質砂岩のパウダーよりなる土壌改良剤以外の土壌改良剤」を取り消す理由

取消2004-30450 条文:50条 取消審決 2005/08/10審決日

被請求人は「凝灰質砂岩のパウダーよりなる土壌改良剤」について使用。取消請求対象商品は結局のところ、被請求人の使用商品と類似範囲に属する商品であるため50条1項の審判請求対象のサイズの把握誤ったものだと主張したが、取り消された事例。

当審の判断(抜粋)
指定商品「土壌改良剤」中には、さまざまな原材料からなる土壌改良剤が包含されているとみるのが相当であって、本件審判請求に係る商品は、「凝灰質砂岩のパウダーよりなる土壌改良剤以外の土壌改良剤」であるから、当該商品のいずれかについて、審判請求登録前3年以内に被請求人等が使用していることを立証しない限り、当該商品について本件商標の登録は取り消されるべきものと判断するのが相当である。

取消審決はごもっとも。ただし、仮に取消審判請求が先願の権利を消滅させて、自分の商標を登録させるためのものなら、類似範囲をひっくるめて取り消さなければ意味がない。だから通常、「取消したい商品○○およびその類似品」を取消対象にして審判請求する。そうでなければ、結局指定商品間の類似問題が残ってしまうから。本件の請求人は、本審判で、引用商標の指定商品を「凝灰質砂岩のパウダーよりなる土壌改良剤」と限定することに成功したものの、結局自己の出願は、本件の権利を理由に拒絶査定を受け、その後出訴した(平成18(行ケ)10480)。この判例についてはまたの機会に。