称呼同一でも非類似

たとえ称呼が同一でも総合的に観察すれば非類似。こんな審決が頻発。

種類 審判番号 条文 結論 商標 備考 掲載日 当審判断
不服 2006-15315 4-1-11 登録 称呼が同じでも、総合的には非類似である。 2007/6/17 本願商標及び引用商標は、これをその指定商品に使用した場合、その取引者、需要者が、両商標の称呼における類似点について、外観における相違点を凌ぐ程に印象、記憶、連想し、商標の出所について誤認混同を生ずるおそれがあるとは認め難く、むしろ特徴ある外観をもって十分に識別し得るものであって、かつ、観念上において比較できないものであることをも総合考慮すれば、互いに相紛れるおそれのない非類似のもの
不服 2006-22218 4-1-11 登録 称呼類似でも全体非類似 2007/7/22 本願商標と各引用商標との外観構成は著しく相違すること、また、観念においても明確に相違することから、「リンクス」の称呼を共通にすることがあるとはいえ、両者から受ける印象は相当に異なるものといえるから、本願商標をその指定商品に使用しても、需要者をして、各引用商標を付した商品との間において、商品の出所について誤認混同を生じさせず容易に区別し得るというのが相当である。
不服 2006-9291 4-1-11 登録 称呼の類似性を超える外観上の顕著な差 2007/8/27 本願商標と引用各商標とは、たとえ「シンペイ」の称呼を共通にするところがあるとしても、観念においては比較すべくもなく、外観において著しい差異を有するものであり、とりわけ本願商標は、図形を含む特異な構成よりなるものであるところ、そのイメージは強烈であり、上記称呼の類似性は、かかるイメージ等の相違や需要者の峻別力を凌ぐ程のものということはできないから、互いに紛れるおそれはないとみるのが相当である
不服 2006-10967 4-1-11 登録 「C/FC」と「CFC」は非類似 2007/12/20 "両商標は、共に「シイエフシイ」の称呼を共通し観念上も、比較すべくもないが外観において明らかな相異点を有する。本願商標と引用商標は、これをその指定商品に使用した場合、その取引者、需要者が、両商標の称呼における類似点について、外観における相違点を凌ぐ程に印象、記憶、連想し、商品の出所について誤認混同を生ずるおそれがあるとは認め難く、むしろ外観上の相違点をもって十分に識別し得るものであって、かつ、観念上において比較できないものであることをも総合考慮すれば、互いに相紛れるおそれのない非類似のものといわなければならない。
不服 2007-5814 4-1-11 登録 「皇寿」と「紅寿」は非類似 2007/11/10 本願および引用のは、いずれも「いわゆる健康食品」と解されるところ、知財高裁平成17年(行ケ)第10764号(平成18年4月27日判決言渡)において、「健康食品は,一般消費者にとって,自己の健康にかかわる重要なものであるから,その商標が当該商品を示すものとして周知となっているなどといった特段の事情の認められない限り,現物を手にとって慎重に選ぶのが通常であり,単に称呼のみで購入することはまれであると考えられる。そして,本件において,そのような特段の事情を見いだすことはできない。したがって,称呼の同一のみをもって両商標の誤認混同に結び付ける原告の主張は,採用することができない。」旨判示されている。

とはいうものの、こんな審決もある。

種類 審判番号 条文 結論 商標 備考 掲載日 当審判断
無効 2006-089104  4-1-11 登録 ONDEXとONTEX 2007/10/26 本件商標及び引用商標に係る商品の取引において、商標から生ずる称呼が外観よりも軽視されるというような実情も見当たらない。むしろ、現代社会において音声を用いた宣伝・広告に対する人の耳からの記憶(商標の称呼)が、出所の識別に重要な役割を果たしているといえるのであり(知的財産高等裁判所、平成17(行ケ)10668、平成18.2.16判決参照)、そのことは両商標に係る商品においても何ら変わることはないというべきである。